ダイバーシティ、エクイティ&インクルージョンの推進
方針・基本的な考え方
大成建設グループは、多様な人財を活かし、その能力が最大限発揮できる機会を提供することで、イノベーションを生み出し、価値創造につなげるダイバーシティ経営の実現に向けて、多様な能力を有する人財を採用するとともに、その能力が最大限に発揮できる環境を整備することを人財活用の基本方針としています。
社員誰もがいきいきと働くことができる環境を整備するため、人口減少社会の到来や新たな価値創造を見据えて、2006年に他社に先駆けてダイバーシティ推進への取り組みを始めました。常に課題を検証しながら取り組みを進めてきた結果、ダイバーシティ推進は、「働きがい」と「働きやすさ」の実現をより意識したダイバーシティ、エクイティ&インクルージョン推進へ進化するとともに、その動きを加速させるために男性が多数を占める建設業の特性を考慮した「男性を巻き込む」施策に注力して取り組んでいます。
リスクと機会
女性社員、高齢社員、外国籍社員の人財等、多様な属性の人財・能力を経営に活かすための取り組みが十分でない場合、優秀な人財を確保できず、イノベーションなど企業価値向上のための取り組みが停滞し、ステークホルダーからの評価が低下する等のリスクが生じます。一方で、働きがいのある魅力的な職場環境を実現するためのダイバーシティ、エクイティ&インクルージョンへの取り組み等の促進は、優秀な人財の確保、役職員のエンゲージメントの向上と組織の活性化につながります。
ポリシー/コミットメント
- グループ行動指針:働きやすい職場の確保、基本的人権・多様性の尊重
- マルチステークホルダー方針
- 人材活用方針(ダイバーシティ、エクイティ&インクルージョン方針)
- 人権方針
- 【TAISEI VISION 2030】達成計画 経営の基本方針 人的資本
目標
中長期目標・KPI・実績
- KPIについては、マテリアリティをご覧ください。
イニシアチブ
- 国連グローバル・コンパクト「人権」「労働」
- The Valuable 500
- Myじんけん宣言(法務省)
- 内閣府男女共同参画局「輝く女性の活躍を加速する男性リーダーの会」
- 女性活躍推進法に基づく行動計画(内閣府)
- 女性の役員・管理職登用等に関する自主行動計画((一社)日本経済団体連合会)
- 2030年30%へのチャレンジ #Here We Go 203030((一社)日本経済団体連合会)
- 人的資本コンソーシアム
体制・システム
推進体制
所管役員 | 管理本部長 |
---|---|
審議機関 | 人事委員会(業務委員会) ダイバーシティ、エクイティ&インクルージョンに関わる重要事項は、人事委員会での審議を経て経営会議にて事前審議を行い、取締役会に付議されています。 |
方針 | 人材活用方針(ダイバーシティ、エクイティ&インクルージョン方針) |
推進部署 | 管理本部人事部 |
取り組み
人財の多様性・働き方の多様性
人財の多様性
- 女性社員:基幹職としての積極的採用・職域の拡大・キャリア開発研修の実施
- シニア人財:やりがいを持って働ける再雇用制度の整備
- 外国籍社員:相談窓口の設置・受入れ部署向けのハンドブック作成
- LGBTQ:全役職員を対象としたeラーニングによる意識啓発・LGBTQ社外相談窓口設置
- 障がい者:音声文字化ツールを法人契約
- 人種:人権方針の浸透、研修の実施
- 宗教・信仰:人権方針の浸透、研修の実施
働き方の多様性
- 日常業務におけるICT活用による“働き方改革”
- 育児・介護と仕事の両立支援制度の充実
- 男性社員の育児参加支援
女性活躍推進
大成建設は、2006年より女性の積極採用や職域拡大などのポジティブアクションを開始しており、その取り組みは2015年度の「ダイバーシティ経営企業100選」を受賞するなど、広く認められています。
ダイバーシティ推進への取り組みを一層強化するべく、「女性の役員・管理職登用等に関する自主行動計画」((一社)日本経済団体連合会)、「女性活躍推進法に基づく行動計画」(女性活躍推進法)にのっとり、意識向上、登用機会の拡大、採用と育成、働きやすい職場環境等の取り組みを進めています。更に、2021年3月に、経団連が公表した「2030年30%へのチャレンジ #Here We Go 203030」(2030年までに役員に占める女性比率を30%以上にする目標)への賛同を表明し、取締役会等の重要意思決定機関においてジェンダーを含むダイバーシティ確保を推進していきます。
また、2020年7月に「輝く女性の活躍を加速する男性リーダーの会」の行動宣言に賛同するとともに、女性活躍をより加速度的に推進するために実施している女性社員を対象とした「次世代リーダー育成研修」の受講者数は273名、上司を対象とした「ダイバーシティマネジメント研修」の受講者数は1,104名となりました(2023年10月末現在)。引き続き、女性社員やその上司への研修、パートナーと参加する両立支援セミナーの実施などを展開すると共に、男性社員への育児支援にも注力していきます。
外国籍社員活躍支援
大成建設では、留学生を対象にした企業説明会やホームページなどの媒体を通じて働き方を幅広く周知し、多様な人財を採用しています。
外国籍社員向けの日本文化や制度についての研修のほか、外国籍社員の上司に対しても、価値観や文化を理解し具体的なコミュニケーション方法を学ぶ研修を実施し、ノウハウをまとめたガイドブックを配布することで、双方の理解を深めています。
また、当社では日本国内の本支店・作業所に加えて、東南アジアを中心とする地域で海外事業を展開しており、各国の作業所、営業所や現地法人においても多様な国籍の人財を採用しています。そして、各国・地域の慣習や文化を尊重しながら、様々な研修によりグローバル人財育成を推進しています。
*主な研修
海外の作業所、営業所や現地法人で従事する外国人財・現地雇用スタッフ向けに「倫理・コンプライアンス・行動規範他」、「企業の社会的責任、サステナビリティ&ESG」に関するeラーニングを実施
シニア人財・育児介護等離職者の再雇用
大成建設は、豊富な知識と経験を持つベテラン社員が、そのノウハウを次世代に伝承し「生涯現役」で活躍できるよう、60才定年退職後、再雇用制度を設けており、2023年3月末現在で882名の再雇用社員が活躍しています。また、定年後のプランづくりとその準備等の個別テーマによる情報提供等も実施しています。
更に、配偶者の転勤や、育児や介護などのやむを得ない事情で退職した人財が再び職場に復帰できる再雇用制度(ジョブリターン制度)を2008年度に導入し、これまで41名(2023年3月現在)を再雇用しています。
LGBTQへの理解促進と社外相談窓口の設置
LGBTQに対する正しい理解と意識・行動変革を促すため、社員を対象としたeラーニングや研修等を継続的に実施しています。また、2023年6月には、LGBTQに関わる働く上での悩みを解決し、全ての社員がいきいきと働ける職場環境づくりを整備するため、LGBTQの知識と理解のある外部相談員が対応する社外相談窓口を設置しました。
障がいのある社員の活躍を支援
障がいのある社員が自ら特性や能力を十分に発揮して活躍できるよう、サポート・配慮に努めています。採用時に、会社として必要なサポートについて詳細に確認し、本社・支店に「障がい者職業生活相談員」を配置する他、産業カウンセラー及びジョブコーチの有資格者が外部専門機関(公認心理士等)と連携して、障がいのある社員やその上司と面談し、フォローを行っています。
外部評価
当社のダイバーシティ、エクイティ&インクルージョン推進の様々な取り組みが評価され、㈱JobRainbowが主催する「D&I Award 2022」において、最高評価の「ベストワークプレイス」に認定されました。