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『ネイチャーポジティブ評価手法』の評価ロジック完成

2025年03月27日

-建設事業による土地改変が生物の生育・生息環境に与える影響を可視化-

 大成建設株式会社(社長:相川善郎)は、「ネイチャーポジティブ(※1)評価手法(以下、NP評価手法)」の開発にかかる評価ロジックを構築しました。生物の生育・生息環境の「面積」と「質」の価値をスコアに換算し、建設事業による土地改変が生物の生育・生息環境に与える影響を定量的に見える化します。
 当社は、企業活動がもたらす自然資本への影響を定量評価する「NP評価手法」の開発を、九州大学の馬奈木俊介教授にご指導いただき2023年10月から進めています(※2)。2024年4月からは、生態学などの有識者で構成する検討委員会(表1)を設置し、多様な知見を取り入れ議論・検証してきました。
 構築した評価ロジックは、英国イングランドの生物多様性ネットゲイン(Biodiversity Net Gain:BNG)(※3)政策で使用されている生物多様性メトリック(Biodiversity Metric)等を基に、評価対象地の「面積」と、日本固有の環境や特性などを考慮した「質」に関わる各種係数を掛け合わせ、生物の生育・生息環境の価値をスコアとして定量化します。これにより、建設事業に伴い土地改変が予定されている、もしくは既に行われた土地について、その前後のスコアを比較することで、土地改変が生物の生育・生息環境に与える影響を客観的に把握・評価することができます。

図 1 生物の生育・生息環境の価値の評価ロジックと評価イメージ

 2025年度には、実際の建設事業にNP評価手法を適用したケーススタディを行い、検討委員会での検証を通じた妥当性の確認や、評価ガイダンスの作成を進め、より実効性の高い評価手法の確立を目指します。
 当社は今後も、建設事業による自然環境への影響を的確に把握できる手法を開発・提供することで、ネイチャーポジティブの実現に貢献してまいります。

※1 ネイチャーポジティブ:
自然を回復軌道に乗せるため、生物多様性の損失を止め反転させるという概念で、2022年12月にカナダで開催された生物多様性条約締約国会議(COP15)ではネイチャーポジティブの達成を目指した国際目標が策定された。日本においても生物多様性分野において新たに目指すべき目標としてネイチャーポジティブを掲げ、その実現のためのロードマップとして2023年3月に「生物多様性国家戦略 2023-2030」が閣議決定された。

※2 「ネイチャーポジティブ評価手法」の開発に着手ー企業活動による自然資本への影響を定量評価し、建設事業でのネイチャーポジティブ実現を目指す。

https://www.taisei.co.jp/about_us/wn/2023/231030_9803.html

※3 生物多様性ネットゲイン政策:
英国イングランドにおける、開発事業に対して生物多様性を開発前と比較して少なくとも10%増加(ネットゲイン)させることを義務付ける政策。

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