コーポレート・ガバナンス
方針・基本的な考え方
大成建設は、企業としての持続的な発展を図り社会からの信頼を獲得するため、経営における意思決定の迅速性、的確性、公正性及び透明性を確保することを、コーポレート・ガバナンスの基本的な考え方としています。
また、コーポレートガバナンス・コードの各原則への対応を踏まえて具体化した「コーポレートガバナンス基本方針」を制定しており、これらの考え方・基本方針に則った以下の施策を実施しています。
体制・システム
コーポレート・ガバナンス体制の概要
大成建設は、監査役会設置会社を採用しており、取締役会及び監査役会の役割・構成等は以下のとおりです。取締役会の活性化を図るため、取締役会内にガバナンス体制検討委員会、役員人事委員会、報酬委員会、サステナビリティ委員会を設置しています。各委員会は、機能の独立性・客観性と説明責任を強化するため、委員長を独立社外取締役とし、独立社外監査役もオブザーバーとして議論に参加しています。業務執行については、執行役員制度を採用しており、意思決定機関として経営会議を設置しています。経営会議若しくは社長の諮問に係る業務について審議等を行う業務委員会として、サステナビリティ推進委員会、リスクマネジメント委員会等を設置するとともに、社長の諮問に答える特別委員会として、社外有識者を委員長としたコンプライアンス委員会を設置しています。
コーポレート・ガバナンス体制図
(2025年6月25日現在)

取締役会・監査役会 (2025年6月25日)
取締役会
役割・責務 | 構成員の氏名 | 主な審議事項 | |
---|---|---|---|
|
議長 | 代表取締役会長 田中 茂義 |
|
相川 善郎 岡田 正彦 白川 賢志 笠原 淳一 山浦 真幸 吉野 雄一郎 西村 篤子※ 大塚 紀男※ 國分 文也※ 上條 努※ 小出 寛子※ |
- ※社外取締役
監査役会
役割・責務 | 構成員の氏名 | |
---|---|---|
|
議長 | 林 隆 |
奥田 秀一 佐藤 康博※※ 大原 慶子※※ 宮内 和洋※※ 緒方 禎己※※ |
- ※※社外監査役
取締役会委員会 (2025年6月25日)
取締役会審議の活性化・実質化を目的に、事前審議機関として以下の取締役会委員会を設置しています。
ガバナンス体制検討委員会
目的・検討内容 | 構成員の氏名 | 主な審議事項 | |
---|---|---|---|
|
委員長 | 西村 篤子※ |
|
委員 | 相川 善郎 岡田 正彦 笠原 淳一 山浦 真幸 大塚 紀男※ 小出 寛子※ |
||
オブザーバー | 大原 慶子※※ |
- ※社外取締役
- ※※社外監査役
役員人事委員会
目的・検討内容 | 構成員の氏名 | 主な審議事項 | |
---|---|---|---|
|
委員長 | 大塚 紀男※ |
|
委員 | 田中 茂義 相川 善郎 西村 篤子※ 上條 努※ |
||
オブザーバー | 佐藤 康博※※ |
- ※社外取締役
- ※※社外監査役
報酬委員会
目的・検討内容 | 構成員の氏名 | 主な審議事項 | |
---|---|---|---|
|
委員長 | 大塚 紀男※ |
|
委員 | 相川 善郎 岡田 正彦 國分 文也※ 小出 寛子※ |
||
オブザーバー | 緒方 禎己※※ |
- ※社外取締役
- ※※社外監査役
サステナビリティ委員会
目的・検討内容 | 構成員の氏名 | 主な審議事項 | |
---|---|---|---|
|
委員長 | 國分 文也※ |
|
委員 | 相川 善郎 白川 賢志 吉野 雄一郎 上條 努※ |
||
オブザーバー | 宮内 和洋※※ |
- ※社外取締役
- ※※社外監査役
役員の状況 (2025年6月25日)
スキル・マトリックス
2030年度の当社グループの目指す姿を達成するために取締役及び監査役に期待する専門性及び経験
企業経営 | 技術 | 営業 | サステナ ビリティ |
法務・ リスク マネジメント |
財務・ 会計 |
グローバル | |||
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取締役 | 田中 茂義 | ● | ● | ● | ● | ||||
相川 善郎 | ● | ● | ● | ● | |||||
岡田 正彦 | ● | ● | ● | ● | |||||
白川 賢志 | ● | ● | |||||||
笠原 淳一 | ● | ● | |||||||
山浦 真幸 | ● | ● | |||||||
吉野 雄一郎 | ● | ● | |||||||
社外取締役 | 西村 篤子 | ● | ● | ● | |||||
大塚 紀男 | ● | ● | ● | ||||||
國分 文也 | ● | ● | ● | ||||||
上條 努 | ● | ● | ● | ||||||
小出 寛子 | ● | ● | ● | ||||||
監査役 | 林 隆 | ● | ● | ||||||
奥田 秀一 | ● | ● | |||||||
社外監査役 | 佐藤 康博 | ● | ● | ||||||
大原 慶子 | ● | ● | ● | ||||||
宮内 和洋 | ● | ● | |||||||
緒方 禎己 | ● | ● |
- 注1.上記は取締役及び監査役に対して特に期待するスキルを表しており、取締役及び監査役が持つ全てのスキルを表すものではありません。
- 2.サステナビリティに関しては、全ての取締役及び監査役に期待するスキルと認識しておりますが、特に期待する取締役及び監査役に限定して表記しています。
上記「専門性及び経験」の考え方
企業経営 | 企業等の最高経営責任者、又は当社グループにおける代表取締役の経験、若しくは同等の知見・経験を有するもの |
---|---|
技術 | 当社事業に関わる技術・安全・品質についての知見・経験 |
営業 | 当社事業に関する営業・マーケティングについての知見・経験 |
サステナビリティ | エネルギー・環境関連分野・人財育成・人権・ダイバーシティ・社会貢献・コーポレートガバナンス等の専門性に関する知見・経験 |
法務・リスク マネジメント |
法務・リスクマネジメント・コンプライアンスに関する知見、又は弁護士資格 |
財務・会計 | 財務・会計の知見、又は金融機関の経営経験、若しくは公認会計士・税理士資格 |
グローバル | 海外事業の経験、又はグローバル経営に関する知見、若しくは国際情勢に関する幅広い見識 |
社外役員の選任
社外役員の選任状況については、コーポレート・ガバナンス報告書(Ⅱ. 経営上の意思決定、執行及び監督に係る経営管理組織その他のコーポレート・ガバナンス体制の状況【取締役関係】及び【監査役関係】)をご参照ください。
取締役会・監査役会・取締役会委員会の出席状況
取締役会・監査役会・取締役会委員会の出席状況については、2025年3月期 有価証券報告書(1)【コーポレートガバナンスの概要】及び(3)【監査の状況】をご参照ください。
経営幹部の選任・解任と育成計画
取締役候補の指名及び執行役員の選任は、当社の持続的な成長と中長期的な企業価値の向上に貢献する人財を選定するという観点から、個々の経歴、実績や人間性、知識、経験、能力等の資質及び全体のバランス、ならびにジェンダーや国際性、職歴、年齢の面を含む多様性を考慮して行っています。取締役会は、中長期的に目指す姿や中期経営計画を達成するために、取締役会として備えるべきスキルを特定し、これに基づき取締役候補を指名します。なお、選任時に期待された資質が認められない場合には解任の審議ができるものとしています。取締役候補の指名及び執行役員の選解任は、役員人事委員会で審議の上、取締役会で決定します。
経営幹部の育成については、優れた後継者に最適なタイミングで経営陣の交代がなされるよう、その人財確保を目的とした後継者候補の選抜と育成を計画的に行っています。
後継者候補に対して、外部環境に対する幅広い知見やコーポレート・ガバナンス・経営戦略等に関するリテラシーを備えさせるとともに、経営トップとしてふさわしい人財を見極めています。
主に執行役員・理事・部長クラスを対象とする次世代経営幹部育成プログラムでは、グループ会社取締役への就任や経営会議等重要会議へのオブザーバー参加、社外取締役との意見交換会の実施等により、全社的視点・グループ全体最適の視点でのマネジメント能力を習得し、資質や能力を引き上げる機会を提供しています。
また、次世代経営幹部育成プログラム選抜者に続く世代の優秀な人財の確保及び底上げを目的とした、主に部長・次長クラスを対象とする次々世代経営幹部育成プログラムでは、社外機関による研修の受講等により、経営者に必要なスキル・知識・考え方を早期から習得する機会を提供しています。
なお、現経営層に対しても、定期的に「経営トップセミナー」を開催し、外部講師を招いた基調講演や、重要な経営課題のディスカッションにより、経営者に必要なスキルの向上を図っています。
社外役員サポート体制
社外取締役については秘書部が、社外監査役については監査役業務部がそれぞれの職務執行をサポートしています。毎月1回の取締役会の開催前に資料データを送付し、事前説明会を開催しており、社内の取締役等から議案に関する説明を実施しています。また、役員間での様々な意見交換会や現場見学会も定期的に開催し、情報提供・連携が図られています。
これらサポート体制により、取締役会における審議や意見表明が十分かつ活発に行われています。
役員報酬等
- 2024年度役員報酬等は、2025年3月期 有価証券報告書(4)【役員の報酬等】をご参照ください。
取り組み
取締役会の実効性評価
- 2024年度の取締役会の実効性評価については、有価証券報告書 (1)【コーポレート・ガバナンスの概要】(ハ)取締役会の実効性評価をご参照ください。
上場子会社のガバナンス体制の実効性確保に関する方策
大成建設は、ピーエス・コンストラクション株式会社(2024年7月1日、株式会社ピーエス三菱より社名変更。以下「ピーエス」)が発行する株式の過半数を取得することにより、当社の連結子会社としています。
ピーエス・コンストラクション㈱では、これまでの自主的な経営により、現在の事業基盤が形成され、堅調な業績がもたらされていることに鑑み、同社の企業文化や経営の自主性を尊重することが同社の企業価値向上のために重要であり、同社の上場を維持することが適切と考え、上場維持の方針を同社との間で合意しています。
当社は、少数株主を含む同社の株主共同の利益に配慮した、適切なガバナンス体制を構築するとともに、グループ運営に関する基本方針に基づき、グループ全体の一体的な運営によるグループ利益の最大化に努めていきます。
株主・投資家との対話
大成建設は、持続的な成長と中長期的な企業価値の向上に向けた取り組みについて、定期的な決算説明会やスモールミーティングの開催、株主・投資家の皆様との個別対話を通じて、適時適切に情報開示するとともに、いただいた貴重なご意見を経営にフィードバックすることに努めています。
情報開示については、「情報開示方針」及び「コーポレートガバナンス基本方針」に基づき、財務・経営成績、経営戦略・経営課題、リスクとガバナンス、人的資本、知的財産、サステナビリティ課題への取り組み等について、法令及び証券取引所の規則に沿った開示を適切に実施しています。また、必要に応じて、Webサイトや統合レポート等において当社グループの事業活動等に関する最新の情報をステークホルダーの皆様にタイムリーに、わかりやすく提供するように努めています。
株主・投資家の皆様との対話については、「IR方針」に基づき、建設的な対話の促進を図っています。具体的には、株主総会、半期ごとの決算説明会、国内外の機関投資家等を対象とした個別ミーティング・スモールミーティング、海外IR等を実施しています。
社内においては、株主・投資家の皆様との対話・面談の内容等を記載した報告書を作成し、経営幹部に毎月報告するとともに、取締役会に対しては、より詳細なIR活動の実施状況を少なくとも年2回報告し、経営の高度化に繋げています。
株主・投資家の皆様との建設的な意見交換によって相互理解を深めることは、企業価値の向上に欠かせないため、今後も、IR方針に則り、積極的なコミュニケーションに努めていきます。
財務報告の信頼性確保
金融商品取引法に基づく財務報告に係る内部統制については、企業として最も重視すべき課題の一つと認識しており、日常的モニタリングの実施等、外部に公表する財務報告の信頼性を確保するための社内体制を構築しています。
その有効性は、監査部による評価及び有限責任あずさ監査法人による監査によりチェックされ、「内部統制報告書」「内部統制監査報告書」として開示しており、今後とも、この有効性の確保を通じて、企業としての社会的責任を果たしていきます。
なお、財務報告に係る内部統制システムの確実な運用を継続していくため、役職員等に対する社長メッセージの発信や、eラーニングの実施等の啓発活動を行っています。
内部統制の推進
大成建設では、グループとして、業務を適正かつ効率的に執行する体制及び財務報告の信頼性を確保するために、取締役会において2006年5月に「業務の適正を確保するための体制の整備に関する基本方針」を制定し(2022年7月改正)、コンプライアンスやリスクマネジメントの更なる推進を図っています。また、営業部門の役職員を主な対象として、社外弁護士による独占禁止法遵守研修を実施する等、各種の施策を講じています。