技術開発

方針・基本的な考え方

大成建設グループは、【TAISEI VISON 2030】の基本姿勢として、「人と技術と情報の最適活用」を掲げ、オープンイノベーションの活用を通じて、環境・社会課題の解決に向けた技術開発を推進することを目指しています。また、【TAISEI VISION 2030】達成計画において、当社が取り組むべき技術領域として4領域[社会・環境問題、社会基盤強化、地方創生、フロンティア対応]を特定し、時間軸や目標とする成果リターンを明確にして技術開発を推進することを基本方針としています。

リスクと機会

リスク
  • 技術開発への取り組みが不十分なことによる、顧客ニーズを満たす高品質で性能に優れた建設生産物・関連サービスの提供不能リスク
  • 上記に伴う競争力・ステークホルダーからの評価低下、受注機会の減少
機会
  • 技術開発の促進による「顧客の期待を超える付加価値の創造」及び「社員の働き方改革の実現」
  • 上記に伴う競争優位性の確保・受注機会の増加、企業価値向上、ステークホルダーからの評価向上

ポリシー/コミットメント

  • グループ行動指針: 価値創造への挑戦、社会的責任の遂行
  • 知的財産に関する方針
  • 技術開発方針
  • 【TAISEI VISION 2030】達成計画 経営の基本方針 技術開発

目標

【TAISEI VISION 2030】達成のための取り組み

技術マッピング

重点的に取り組む4つの技術開発領域を特定した上で、技術の差別化・生産プロセスの革新を進めています。

  …特に注力する領域 基本方針
①個別プロジェクトへの対応 ②生産性向上・生産プロセス革新への対応 ③建設周辺・新規事業への対応 ④将来課題の探索と革新的な取り組み
取り組むべき領域 社会・環境問題
(CN・CE・NP・
労働環境等)
ZEB・RNZEB
ZCB・木質建築(次世代技術研究所)
スマートビル(【仮称】本町四丁目プロジェクト)
浮体式洋上風力
T-eConcrete®活用
建築ロボット
3Dプリンター
T-iDigital®Field
T-BasisX®
生成AIの利活用 水素利活用
エネルギー貯蔵
バイオマス
CO2固定化、CCS
木質廃棄物活用
グリーンケミストリー
藻類SAF
社会基盤強化
(自然災害、インフラ)
高速道路リニューアル
インフラ耐震補強
重機遠隔操作・自動・自律化
シミュレーション・解析高度化
BCP支援
(測震ナビ®展開等)
災害情報高度化
(富士山噴火対応等)
地方創生
(まちづくり・インフラ)
需給一体型エネルギー
マネジメントシステム高度化
(AEMS等)
メタバース活用
(デジタルコミュニケーション等)
自動運転・無線給電
(スタートアップ協業等)
木質循環の最適化
(生産・利用・再資源化)
フロンティア対応
(ビジネスモデル)
サービスロボット展開
(搬送・案内・清掃等)
建設新材料 T-eConcrete®展開
農地利活用
embodied carbon削減技術
月面空間・エネルギー活用

KPI

  • 主要社外表彰件数
    2026年度建築12件、土木6件
  • 特許出願件数
    2026年度840件(3ヶ年計)、2030年度1,100件(4ヶ年計)
  • デジタル高度利用作業所数(累計)
    2026年度650作業所、2030年度全作業所
  • 設計施工案件のZEB化率(面積比)
    2026年度70%、2030年度100%

イニシアチブ

  • (一社)日本知的財産協会

体制・システム

研究開発の推進体制等

革新的な技術開発を推進するために、社長を委員長、技術センター長を幹事とする「技術委員会」を設置しています。
委員会では、諸施策の検討・立案、実施状況をフォローするとともに、関係部門間の連携を図りながら、技術の実装化のための取り組みを進めています。

取り組み

イノベーション実現に向けて

中長期的な企業価値の向上のためには、革新的な価値創造(イノベーション)への取り組みが不可欠です。大成建設は、技術センターにイノベーション戦略部を設け、イノベーションの実現に向けた取り組みを組織的に進めています。技術ニーズの高度化・多様化に対応するため、大学をはじめとする研究機関や他企業とのアライアンスの強化、オープン・イノベーションにも積極的に取り組んでいます。

※オープン・イノベーション:組織の枠組みを超え、広く知識・技術の結集を図る等のイノベーションの方法論。

研究開発費の推移(連結)

  2019年度 2020年度 2021年度 2022年度 2023年度
研究開発費 135億円 142億円 152億円 168億円 186億円

知的財産戦略の実践とリスク管理

大成建設グループは「知的財産に関する方針」のもと、特許権や著作権、施工・業務上のノウハウ等の知的財産を戦略的に管理・活用する知的財産戦略を実践しています。具体的には、権利の侵害や技術流出といった知的財産リスクを予防・軽減するため、「知的財産情報取扱規程」に基づいて機密管理を徹底し、技術部門や事業部門に対して他社の特許情報を周知し、第三者の知的財産権を侵害しないよう対策を講じています。
更に、知的財産の競争力を強化し、企業価値を向上させるため、データベースの整備や保有特許検索システムの構築を進め、グループ全体で制度整備や情報交換を行う等知的財産の創造・保護・活用を促進しています。社員に対しては、知的財産に関する方針を周知徹底し、戦略的活用を促すための研修を毎年実施しています。2023年度は、グループ会社や当社の本社技術部門、支店現業部門向けに知的財産講座を実施したほか、全役職員を対象としたeラーニングを通じて、出願権利の活用や権利侵害に関する啓発活動を行いました。