大成建設株式会社(社長:相川善郎)は、6月の環境月間※1イベントとして、当社横浜支店で「大成ジビエ食堂」を開催しました。このイベントでは、当社グループ社員を対象として山梨県北都留郡小菅村(村長:舩木直美)で捕獲された鹿肉を使用した鹿肉ハンバーグカレーや鹿肉のトマト煮のランチメニューを提供し、鹿の食害に関する映像上映やリーフレットの配布を通じて、参加者に森林保全への理解を深めていただきました。
当社グループは、自然共生社会の実現をグループ長期環境目標の一つに掲げています。その実現に向けた取り組みの一つとして、山梨県小菅村およびNPO法人多摩源流こすげ(理事:宮林茂幸)の3者で2024年4月に7年間のグリーンインフラ推進連携協定を締結※2しました。 この協定では、首都圏の水源である多摩川の源流域に位置する小菅村に、水源涵養・防災・生物多様性保全など多面的な機能を持つグリーンインフラに資する森林の整備を目的として、「木材利用と自然林化の促進」「林床植生(森林の地表面に生育する植物の集まり)の保全活動」「環境保全活動に取り組む人材の育成」に取り組み、今後、様々な地域にも展開できる「Kosuge-Model」の創出を目指しています。
森林の多面的機能の発揮を阻害する要因のひとつに、鹿による食害があります。日本全国の鹿の個体数は1989年~2022年の間で約9倍に増加※3しており、鹿に下草や幼木が食べられた結果、林床植生が貧弱になり、土砂災害や他の動植物の生育環境が悪化する等の問題が発生しています。小菅村においても、鹿の個体数増加による森林環境の悪化が報告されており、水源林としての機能の低下が危惧されています。
そこで、毎年6月の環境月間に、ジビエ料理を味わいながら、鹿の食害等に関する映像上映やリーフレットの配布を行い、森林保全について学びその理解を深めるため、「大成ジビエ食堂」を開催しています。2022年度に始まったこの取り組みは、今回で3回目となります。参加者からは、「食べて役立つグリーンインフラを初めて知った 」、「獣害やジビエに興味を持つきっかけになった」等の意見が寄せられました。 今後も当社は、グリーンインフラに資する森林整備の取り組みや環境教育を継続し、人と自然がより良い関係を維持できるよう、自然共生社会の実現に貢献してまいります。